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Icon  project06 KLMオランダ航空で
行く、
ブリューゲルと
ボスの足跡を辿る
タラ夫の タラ夫の旅(中)

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Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands

2016年11月、「バベルの塔」展マスコットキャラクターのタラ夫は、ピーテル・ブリューゲル1世とヒエロニムス・ボスという二人の巨匠の足跡を求め、オランダ・ベルギーへ旅立ちました。
ボスはその生涯をオランダ南部の町スヘルトーヘンボスで過ごし、ブリューゲルはアントワープやブリュッセルで活動しました。現在のオランダ・ベルギーにまたがる「ネーデルラント地方」で今から約500年前に活躍したブリューゲルとボス。二人の巨匠はどんな景色を見て、どんな思いで制作をしていたのでしょうか。タラ夫と一緒に旅に出てみましょう。

DAY2
ボスの生まれ故郷、
スヘルトーヘンボス

ボイマンス美術館でブリューゲルとボスの来日作品を確認したタラ夫。今日はヒエロニムス・ボスの生まれ故郷、スヘルトーヘンボスへ行ってみましょう。

ロッテルダム中央駅から高速鉄道「IC(インターシティ)」で南東へおよそ1時間、途中ブレダ駅で乗り換えて到着したのは、ヒエロニムス・ボスが活躍した町、スヘルトーヘンボス(’s-Hertogenbosh、通称デン・ボス)です。

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中世、デン・ボスはネーデルラントのブラバント公国に属し、羊毛を中心とした交易でブリュッセルやアントワープに並び繁栄した都市の一つでした。「スヘルトーヘンボス」とは「伯爵の森」の意味。この地がかつてブラバント公アンリ1世の猟場であったことからその由来をもちます。そして何より、この町をもっとも有名にしているのが、この町が輩出した偉大な芸術家、ヒエロニムス・ボスなのです。

2016年はヒエロニムス・ボス没後500年の記念すべき年です。大回顧展が開かれるなど、デン・ボスはもちろん、ヨーロッパ全体がボスブームに湧いた2016年。人々を惹き付けて止まないボスの魅力を探ってみましょう。

スヘルトーヘンボス駅から歩くこと15分、町の中心、マルクト広場に到着しました。

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こぢんまりした広場は多くの人で賑わい、人々の憩いの場であることがうかがえます。

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広場の中央にはなにやらパレットを持った男性の銅像が…そう、彼こそがヒエロニムス・ボスなのです。まさにデン・ボスのヒーローですね。さらに広場の一角には、ボスが31歳で結婚するまで住み、アトリエを構えていたとされる家が残されています。緑の外壁が上品で美しいです。

この日の気温は3℃!冷えた体を温めるために、一旦カフェで休憩です。甘い香りに誘われ注文したのは、デン・ボス名物の「ボッシュボーレン」。見るからにカロリーが高そうなこのお菓子、言うなればシュークリームをたっぷりチョコレートでコーティングしたような名実ともにハイカロリーな食べ物なのです。
生クリームがぎっしり詰まった魅惑のボッシュボーレンと温かいコーヒーで腹ごしらえをしていると、なにやら広場が賑やかになってきました…

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外へ出てみるとなんとパレードが!タラ夫がデン・ボスを訪れたこの日は、偶然にもカーニバルの初日。来年の2月まで続く長いカトリックの風習です。町はいつにもない熱気に包まれています。

そんな人混みを抜けたどり着いたのは聖ヤン大聖堂。1370年から1529年にかけて建造されたデン・ボスの町の象徴です。オランダでもっとも美しい大聖堂の一つとも言われているそうですよ。

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©オランダ政府観光局

実はボスは、ここ聖ヤン大聖堂の裏庭(たぶんこの辺り)に埋葬されているそうなんです。当時は大聖堂に埋葬されるのは位の高い貴族階級に限られていました。後述のようにズワーネン・ブルーダース・ハウスという結社への入会を許されたボスは、本来では大聖堂の敷地内に埋葬されることはあり得ないことですが、その業績と貢献により、大聖堂の片隅にこうして静かに眠っているのです。

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©オランダ政府観光局

続いて向かったのは北ブラバント美術館。
ここは2016年、ボス没後500年の大回顧展を開催した美術館の一つとして有名です(もう一つはマドリードにあるプラド美術館)。南オランダ地方の美術を主なコレクションとする北ブラバント美術館は、ボス作品は所蔵していないものの、2007年に「ボス調査保存プロジェクト(Bosch Research and Conservation Project)」を立ち上げ、ヒエロニムス・ボスの現存絵画について多くの研究成果をあげています。

ところで「ヒエロニムス・ボス」というのは彼の本名ではないことをご存じでしたか?ボスは代々画家の家に生まれ、元は「ヒエロニムス・ファン・アーケン」という名前でした。しかし画業で成功を収めた彼は、町の名前を借り「ヒエロニムス・ボス」と名乗るようになったと1504年の文書に記されています。町を誇りに思うからこそ、自らもそう名乗っていたのですね。
とにかく、2016年にボス没後500年の大回顧展を開催した北ブラバント美術館は、会期中42.5万人を動員し、オランダ国内で過去3番目に成功した美術展として歴史に名を刻みました。

北ブラバント美術館でボスのお勉強をしたら、妙にお腹が空いてしまいました。
あれだけボッシュボーレンも食べたのに…
さすがたらふくタラ夫、食い意地が張っていますね。

ランチに向かったのは「Artisan」というお店。ここでは期間限定でボスの傑作《快楽の園》にちなんだ特製「ボスランチ」がいただけます。《快楽の園》は、左側の「天国」、中央の「地上」、右側の「地獄」パネルでそれぞれ構成される三連祭壇画です。
その特製ランチ…一体どんなメニューなんでしょうか…

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© bpk
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まず目の前に現れたのは、「地獄」をモチーフにした前菜。
アンコウ(seadevil)とほうれん草のテリーヌにデビルハーブ、それに「炎のように赤い」ビーツソースがかかっています。食材はおどろおどろしいですが、目にも舌にも優しいお味。

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続いてメインは「地上」。《快楽の園》では真ん中のパネルにあたるパートですね。鶏肉とデン・ボス産豚肉のルラードにマッシュルームやズッキーニなどもあります。かかっているのはトリュフソース!地上の贅沢を表現しているのでしょうか…大満足の一皿です。

そして最後はデザート。皆さんお察しの通り、これは
「天国」を表現しています。ボッシュボーレンに続き
チョコレート尽くしの一皿です。
オランダ人はこうしたチョコレートムースを
「Heavenly Mud(天国の泥)」と呼ぶそうな。天にも
昇るような美味しさ!ですが何も泥と言わなくても…

あ~美味しかった!総じて胃は天国です。

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そして最後に、希望者には上の大皿がついてきます(有料)。これもボスモチーフ!
五感で楽しめるボスワールド、ごちそうさまでした!

さて、続いて向かったのはヒエロニムス・ボス・アートセンター。かつての教会を改装してつくられた、ボスの作品のレプリカを展観している風変わりな建物です。


エントランス前にはボスの世界から飛び出してきたような不思議なオブジェが… 建物内部はボス作品のレプリカがずらりと並んでいます。三連祭壇画を多く残したボスですが、レプリカなので扉の開閉も自由に行えます。これが意外と楽しい!

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ヒエロニムス・ボス・アートセンターにある
《快楽の園》のレプリカ

《快楽の園》(のレプリカ)前はやはり一番人気のスポット。みんな扉をパカパカしています。
さらに建物地下には、ボスのアトリエを再現した部屋もあります。
我らが《放浪者》に登場する放浪おじさんもいました!うーん、似てない…?

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放浪おじさん. . . 似てる?

この他にも建物内にはいろんなモンスターのオブジェが飛び交っていました。
ゴシック建築の教会と絶妙なハーモニーです。

さて、みっちり観光したデン・ボスも次が最後の訪問先。
今日最後に訪れたのはズワーネン・ブルーダース・ハウス(Zwarnenbroedershuis、直訳すると「白鳥兄弟の家」)です。僧侶や聖職者、貴族たちによって構成されるこの結社は、ボスの時代には主に会食と音楽の集いの場として機能し、主なメンバーにはオランダ総督ウィリアム・オレンジ公(1533~1584年)らがいたことでも知られます。

そんなズワーネン・ブルーダース・ハウスですが、実はこの結社にヒエロニムス・ボスも所属していたのです。ボスは1488年に入会が認められています。それは彼が聖職者グループに属し剃髪していたからでもありますが、彼が画家として成功を収め、また良家の娘アレイト・ファン・デ・メールフェンネと結婚していたということも入会の背景にあるのでしょう。
ボスのこの事実は、彼が敬虔なキリスト教徒であったことを裏付けると同時に、デン・ボスにあって相当の社会的地位を有していたことを物語っています。一見とっぴな人物のように思われがちなボスですが、実は知識階級の人でもあったんですね。むしろ、ゴシック建築に囲まれた町で育ち、幼い頃から聖書の物語や聖人伝に親しんできたボスだからこそ、大きく空想の世界を広げることが出来たのかもしれません。
没後500年経った今もなお、ボスの魅力は人々を惹き付けて止みません。
ヨーロッパを訪れた際は、オランダ南部の小都市、デン・ボスに皆さんもぜひ足を運んでみてくださいね。

おまけ - ボスと運河めぐり
デン・ボスは独特な運河が張り巡らされた町でも有名です。中世には重要な輸送手段として活躍した運河も、その後の開発によって運河をまたぐように次々に住居が建てられました。そのため、家の下を運河が通っていたり、水路が変形していたり…さらに驚くのは、ボスブームに乗ってか、運河のあちこちにボスのモンスターが登場するのです!町そのものがボスの不思議な世界の一部になっているかのようです。

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オランダへは、日本からの唯一の直行便が就航しているKLMオランダ航空が便利です。

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※2017年2月現在 

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